嵯峨野文化通信 第139号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第139号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

         
       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)
 
                      ■VOL:139(2011/11/20)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ———「日本のかたち展」ミラノサローネ帰国展のお知らせ
                 映画「源氏物語 千年の謎」公開記念特別シンポジウム
のご案内
       「ふろしき」本発売のお知らせ
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————– 第四十二回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]11月開講講座のお知らせ

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 いつも嵯峨野文化通信をお読みいただき、ありがとうございます。
 今号の発行が、大幅に遅れましたことをお詫びいたします。
 これからも、皆さまに楽しんで伝統文化を感じていただけるようなメールマガジンを
 発行していきたいと思いますので、今後とも嵯峨野文化通信をよろしくお願いいたします。
                                    編集部一同

             □■【連】からのお知らせ■□

 ■「日本のかたち展」ミラノサローネ帰国展のお知らせ

 ただいま、2011年4月イタリアミラノにて開催された「日本のかたち展」の帰国展が、
有斐斎弘道館にて開催されております!
 日本の伝統的なかたち、美意識、感性を現代のインテリア空間や生活スタイルに、新しく
機能する室礼として提案する展覧会です。
 また、イベント期間中には、連日、作家デザイン×老松コラボの主菓子を日替わりでお楽
しみいただけます。
 さらに、庭に2畳の茶室を2つ建てて楽しむ一日限りの「日本のかたち茶会」も開催いた
します。ぜひご参加ください!

 日 程:11月19日(土)~27日(日)
 時 間:11時~19時 
 場 所:有斐斎弘道館
 入場料:500円(高校生以下の方は無料)
     呈茶は毎日ございます:作家オリジナル和菓子付き1000円(入館料含む)

 「日本のかたち茶会」
 日 程:11月23日(水・祝)
 時 間:11時~17時(最終入場16時:要予約)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(入場料込)
 
 茶会ご予約はコチラ
 http://www.kodo-kan.com/nihon-no-katachi/pg17.html

 展覧会詳細はコチラ
 http://www.kodo-kan.com/nihon-no-katachi/index.html 
  
 有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
 http://kodo-kan.com/access.html

  
 ■映画「源氏物語 千年の謎」公開記念特別シンポジウムのご案内

 映画「源氏物語 千年の謎」公開にあたり、特別シンポジウムが紀伊国屋サザンシアター
にて開催されます!
 五感で探求する「源氏物語」の謎について、味、香、音、衣、品など様々な分野の専門
家が徹底解明します。こちらのシンポジウムは二部構成となっており、第一部のパネリス
トとして【連】の濱崎加奈子と太田達が登場します!
 11月12日(土)より、チケットが発売・電話予約されておりますので、どうぞお問
い合わせのうえ、ご参加ください!

 日 程:12月3日(土)
 時 間:13時開演(12時半開場)
 場 所:紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7F)
 料 金:1,000円(税込、全席指定)
  
 前売取扱:キノチケットカウンター(新宿本店5階/受付時間10:00~18:30)
      紀伊國屋サザンシアター(新宿南店7階/受付時間10:00~18:30)
 電話予約:紀伊國屋サザンシアター 03-5361-3321(10:00~18:30)

 詳細はコチラ
 http://www.kinokuniya.co.jp/label/20111112100000.html

 お問合せはコチラ
 角川メディアハウス 03-3238-6475(平日10:00~17:00)
  
 紀伊国屋サザンシアター(東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤタイムズ
 スクエア 紀伊国屋書店新宿南店7階)
 http://www.kinokuniya.co.jp/store/theatre.html
  

 ■「ふろしき」本発売のお知らせ

 京都の老舗メーカーのコレクションから約160点の風呂敷が紹介された「ふろしき」
本が発売されております。
 こちらの文を【連】の濱崎加奈子が担当しております!
さまざまなテーマ別に見る伝統文様や図柄の数々、包んだ形の造形美などが紹介されて
おり、見ているだけでも素敵な一冊となっております。ぜひご覧下さい!

 定 価:2,940円(本体2,800円)
 発売元:バイ インターナショナル

 詳細はコチラ
 http://www.piebooks.com/search/detail.php?ID=4156

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               ■『北野の芸能と茶屋』■           

                   第四十二回              

                                   井上 年和
   
 慶長九年(1604)1月22日

  「自朝晴天。齋了源介、彌四郎同途シテ赴北野。自東京昕英・玄室・江叔・魯雲・丘叔
光駕。於北野参会。抃踊之妓女一覧。各々同途シテ依松隠。擧盞進酒。一籠精靑窃出之進。
各々慨醉、及戌刻歸院。」
                                   『鹿苑日録』

 『鹿苑日録』は鹿苑院主歴代の執務日記で、1487~1651年の日記に文書案や漢詩
集の断簡などが付加されている。慶長九年となれば西笑承兌の記録であろうか。

 北野に集まって、皆で「抃踊(べんやく)之妓女」を一覧し、大いに酔っぱらって寺に帰っ
ていったようだ。

 この「抃踊之妓女」とはどのような職種を指すのであろうか。『鹿苑日録索引』や竹内秀
雄著の『天満宮』等他の論文をみても歌舞伎が演じられたこととなっているが、慶長十五年
(1610)3月7日には、「珍公、晁公同道シテ赴千本見物、先一番傀儡。二番抃踊、少年
小吉。三番小人嶋、猿ト云小童。於日本、凡五歳之童子也。當年迄廿五年ニ成ト云々。念仏
之踊ハ了テ無之、及夕陽帰院。」とあって、北野で催されている様々な芸能の一種であるこ
とは間違いなさそうだ。

 慶長十年(1605)5月20日には、「定而北野参詣。カブキノ見物具行。」や、慶長十二
年(1607)12月16日には、「只上洛シテ北野之カブキ」などとあるから、「抃踊」と
「歌舞伎」はニュアンスの捉え方に微妙な違いがあるような気がする。

 「抃踊」とは『大辞泉』によると、「手を打ちおどり上がって喜ぶこと。」とある。また、
「妓」とは「酒席で音曲・歌舞などをもって客をもてなす女。芸妓、芸者」とあって、歌舞
伎役者にも相当するであろうが、使用例を見ると舞妓、芸妓、妓楼、妓生(キーセン 朝鮮
の芸妓)などで、主に宴席で舞や踊りを披露する女性を指す。近世初期に於いて西笑和尚が
どのような意味で用いたか興味をそそられる。「抃踊之妓女」とは、若い女性が手を打ちな
がらおどり上がって喜ぶような躍動感のある女性芸能人だったのであろう。

 女歌舞伎は寛永頃に度々の禁令が出され廃止に追い込まれるが、お国の歌舞伎踊りや遊女
歌舞伎は、当時のトップアイドル的な存在として芸能界を一世風靡し、北野でも演じられて
いたのである。

 元和四年(1618)

  「一、今朝目代來申者、北野七間茶屋從昔あふりもちを十つゝ目代取來申ヲ近年無沙汰
申所、其上今者茶屋家ヲたて居申候間、地子ヲ被仰付被下候へと申置也、勝藏ニ申置由、我
等ハ咳気にてふせり居候

  一、七間之茶屋、宗久・与左衛門(年寄)・同新太郎・孫四郎・五郎兵衛(弥七郎)・源七・
甚太夫、此者共参申ハ、目代切ゝ参、地子出候へと申掛候処、尤太閤様御代より御免ニ被仰
付今又か様ノわたくし成儀掛申候処、急度被仰付被下候へと申來候間何も心へたると申返ス、
使藏丞、」
                                  『北野社家日記』

 今のところ「七間(軒)茶屋」の文献上での初見である。古図を見れば、承応三年(1654)
の頃から北野社東門前に七軒茶屋が所在しているのがわかるが、この七軒茶屋と同一のもの
と考えて間違いない。

 七軒茶屋は昔からあぶり餅を10個ずつ持ってきていたが最近はご無沙汰で、その上、今
は茶屋家を建てて居座っているので地子を払えと目代が愚痴っている。

 これに対し、松梅院は勝藏さんに申し置きして仮病を使い、七軒茶屋は太閤様の時代より
払っていないので払いませんと返答している。あぶり餅10個で大の大人達が壮絶な言い争
いを繰り広げているのである。

 この記事によると七軒茶屋は太閤の時代には日小屋のようなもので、常設の建家となった
のは16世紀後期から17世紀初期と言うことになる。

 しかし、天正十七年(1589)4月27日に前田玄以に言い捨てられ、早速に常設の建屋
となって地子銭を素直に納めたとは全く考えられない。

 太閤さんが北野大茶会を開いたのは天正十五年(1587)と31年前、五軒茶屋の検地が
行われたのも天正十七年(1589)と29年前のことであるので、目代さんはその頃のこと
も記憶にあるかもしれなく、「昔」とは太閤さんがご存命であった時である可能性も充分あ
るのだ。

 自分が言うのも何だが、第35回(平成23年9月1日 第134号)で紹介した「御子茶
屋が16世紀中に五軒茶屋へ発展し、天正から元和年間の間に2軒増築され七軒茶屋となっ
た可能性」はまだまだ検討の余地がありそうだ。

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 11月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:11月9、30日(いずれも、水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:11月13日(日)、26(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
      (26日のみ)15時~
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
■「今様・白拍子教室」
  日程:11月12、26日(いずれも、土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

■「うたことば研究会」
  日程:11月26日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:15時~16時(60分)
  監修:田口 稔恵
  ※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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               ■□■ひとこと■□■
  
 この度は配信が大幅に遅れてしまい、申し訳ございませんでした。
 今後このようなことのないように努めてまいります。
 話は変わりますが、最近は気温変化などもあり、風邪がとても流行っておりますね。例年に
 比べると暖かいようですが、皆さまお体にはくれぐれもお気をつけください。
 私も来年の抱負は「風邪をひかないこと」に決めました。
                                 (いまむら)

          [次回は、12月1日(木)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。