伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第136号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:136(2011/10/1)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ————————リレーメッセージに掲載されます!
「京Biz」に出演します!
文化講座のご案内
「京菓子」トランプ発売のご案内
有斐斎弘道館月釜「皆川淇園的」
のご案内
『花園』が発行されます
■(連載)『ニッポン城郭物語』—————————— 第六十六幕
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第三十七回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』—————————— 第三十八回
■(連載)『やまとのくには言の葉のくに』——————– 第九十六首
■[嵯峨野学藝倶楽部]10月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■リレーメッセージに掲載されます!
【連】代表の濱崎加奈子が、京都新聞10月2日号のリレーメッセージに登場します!
10月2日より、 Webからもご覧いただけます!
Web版はコチラ「日本人のわすれもの 京都、こころここに」
http://kyoto-np.co.jp/kp/kyo_np/info/nwc/
■「京bizS」に出演します!
【連】代表の濱崎加奈子が、KBS京都の経済情報番組である「京bizS」に出演いた
します! さらに、10月からは再放送も始まります。
どうぞお楽しみに!
KBS京都「京bizS(キョウビズエス)」
日程:10月7日、21日(金)<毎週金曜日放送>
時間:21時25分~22時25分
番組表はコチラ
http://www.kbs-kyoto.co.jp/now_on_air/tv.htm?p=2
■文化講座のご案内
毎回ご好評をいただいている有斐斎弘道館で開催している文化講座も終盤を迎えて
おります。
まだこれからの参加も随時受付けておりますので、どうぞお気軽にお越しください!
10月は、同志社大学教授の矢野環先生にお越しいただきます!
「京都文化教養講座2~茶の湯の文化を識る~」
日 程:10月18日(火)
テーマ:「室町末期から秀吉期の茶の湯ー名物記から見るー」
講 師:矢野 環(同志社大学教授)
時 間:13時~14時30分
受講料:2,000円(生菓子・抹茶付)
講座についての詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
※受講を希望される方は、下記アドレスまでお申込みください。
kouza@kodo-kan.com
■「京菓子トランプ」発売のご案内
ただいま、老松さんから「京菓子」をモチーフにしたトランプが発売されています!
とても綺麗なお菓子の写真と説明がついており、見ているだけでも楽しいトランプ
です。
有斐斎弘道館のブログにトランプの写真がアップされていますので、どうぞご覧くださ
い。老松 「嵐山店」「北野店」および、有斐斎弘道館にて販売中です!
1セット:1,050円
有斐斎弘道館ブログはコチラ
http://blog.kodo-kan.com/
老松のホームページはコチラ
http://www.oimatu.co.jp/
■有斐斎弘道館月釜「皆川淇園的」のご案内
有斐斎弘道館の月釜は、皆川淇園の時代をみなさまとともに考えるお茶会です。
毎回楽しい趣向をご用意いたしております。
気軽にお楽しみいただけますので、どうぞお誘い合わせの上、お越しください!
日 程:10月23日(日)
時 間:11時~15時
場 所:有斐斎弘道館
参加費:1,500円(会員の方は不要)
※準備の都合により、3日前までにお申込みください。
会員の方のご同伴もお待ちしております!
詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html
申し込み、問合せ先はコチラ
info@kodo-kan.com
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
また、こちらの有斐斎 弘道館月釜は2011年10月より、月釜制(会員制)に移行
いたしております。
ただいま、会員申込中ですので、気軽にお問合せください。
年会費:1万円(各回の参加費は不要です)
■『花園』が発行されます
妙心寺が発行している月刊冊子である『花園』に、現在【連】メンバーが執筆してい
ます! 「祈りの国」という題で【連】メンバーが交代で執筆し、全国各地のモノや食
に込められた心を、語り連ねます。
妙心寺HPはコチラ
http://www.myoshinji.or.jp/book/
『花園』のお問合せ・ご注文は、花園会館部「頒布課」まで
TEL:075-467-2990
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■『ニッポン城郭物語』■
ー第六十六幕ー ~城と景観の話~
梅原 和久
以前に城と樹木について書いた(※1)が、今回はその続編的な内容である。現在米子
城で行われている樹木の伐採事業に対し、市民から苦情が出ているというのだ。
ある市民曰く、「木の下でお茶を飲んだりと、ひと息ついていた癒やしの空間が、無残
な状況になっている。もう伐採はやめてほしい。」他にも、伐採跡の切り株について、「
史跡の風格がなくなる。」などなど(※2)。
城跡に限らず、行政が樹木を整理しようとすると、自然保護・環境保全の名のもとに、
こういった反対の声が上がることはよくある。
一見もっともらしいが、基本的に樹木には一定の伐採や剪定が必要なことは庭木のこと
などを考えれば自明のことである。特に、城跡の樹木はほとんどが本来の自然ではなく、
管理を放棄したために繁茂しているに過ぎない。実際に、前回も指摘したように、無秩序
に植えられた木の根が石垣の隙間に入り込むことで、崩壊の危険が出ている城は数多い。
米子城の場合も、市は石垣から2~3mのところにある樹齢30年程度の樹木を伐採対
象としており、その目的も史跡保存の観点とともに、市街地から石垣が眺めづらくなった
ことを挙げている。
そう、かつては城主がその権威の誇示のため、城下からは城の建物だけでなく、石垣ま
で見えていたのである。それが明治以降、城が公園化されたことで植樹が進み、現在のよ
うに城が見えないという状況になっているのだ。
昨今、「地元の文化遺産を活かした町づくり」が提唱され、文化庁の「歴史文化基本構
想」や国土交通省の「歴史的環境形成総合支援事業」などを活用して、全国各地の城下町
が城をランドマークとし、市街から城が見える町づくりが行われている。併せて、歴史的
風致を損なっている建造物等の景観上の改善や、景観を妨げる樹木の伐採なども進んでい
る。
今回の米子のような論争は、同じ取組みを進めている小田原や高知などでも大なり小な
り起こっているが、整備が必要な理由をきっちりと説明することで、計画を進めていって
もらいたいものである。
(※1)バックナンバーのURL
http://archive.mag2.com/0000185716/20100802000733000.html
(※2)米子の論争を報じた記事のURL
http://www.nnn.co.jp/news/110908/20110908003.html
■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第三十七回
荻田 みどり
前回までは、朱雀院行幸について見てきた。今回は、他の行幸についても見てみたい。
『源氏物語』は大きく3つに分けることができるが、第一部の大団円、藤裏葉巻の六
条院行幸である。
10月20日過ぎごろ、冷泉帝は朱雀院も誘い、源氏の住む六条院へお出ましになる。
源氏は太上天皇(皇位を譲った帝のこと)に准じる位という意味で准太上天皇という
称号を得、六条院で栄華の絶頂を極めていた。そして紅葉の盛りの興趣深い頃に帝、院
そろっての行幸であり、世間の人々も目を見張っている。
源氏方も、心の限りを尽くしてもてなす。その中で、次のように鵜飼が催される。
東の池に舟ども浮けて、御廚子所の鵜飼の長、院の鵜飼を召し並べて、鵜をおろ
させたまへり。小さき鮒ども食ひたり。わざとの御覧とはなけれど、過ぎさせたまふ道
の興ばかりになん。
改まって見せるわけではなく、東の御殿(夏の町)から南の御殿(春の町)へ移る道す
がらに一興を供す。宮中の鵜飼の長と六条院に所属している鵜飼を召し、池に浮かべた舟
から鵜をおろし、魚をとらせる。鵜は小さなフナをとってくわえた。捕った魚は調理して
帝の御前に供される。
鵜飼は、『古事記』神武天皇記の分注に「阿陀の鵜養の祖(あだのうかひのおや)」の
語が見え、古くから行われていたことが分かる。『万葉集』にも鵜飼を詠んだ歌が見られ
る。多くは鵜が鮎を捕る歌である。
六条院の池では清流ではないので鮒である。しかし、普段なかなか内裏の外に出られな
い帝に対し、六条院という邸内の池ででも鵜飼を見せることは、最大限のもてなしだった
のだろう。ただし、邸内のことであり、鵜飼は大仰に見せつけるのではなく、さりげなく
御覧に入れさせたのである。源氏のもてなしの妙である。
〈参考文献〉室城秀之「物語と食―鵜飼いのことなど」(『文学に描かれた日本の「食」
のすがた―古代から江戸時代まで』至文堂 2008年10月)
■『北野の芸能と茶屋』■
第三十八回
井上 年和
天正十九年(1591)5月24日
「やゝこおとり松梅院へ参おとり申候、百疋被遣候、明日二十五日にくわんしん
仕たきとて参候、則茶ののうしろニて見海いはのきわをつかまつれと被仰候、」
『北野社家日記』
松梅院にややこが踊りに来て、25日から勧進したいと申し出があった。「ややこ」と
は勿論「お国」であると思われるが、別人物で関係が深い者であるという見解もある。
ともあれ、この記事については、小笠原恭子氏によって北野社家日記の原文読み下しか
らの研究成果があり、「茶ののうしろ」は「茶やのうしろ」、「いはのきわ」は「ばはの
きわ」ではないかという指摘がある。
松梅院がお国に指示した勧進場所とは、松梅院から見て茶屋(五軒茶屋あるいは七軒茶
屋)の後ろで、馬場(右近馬場)の際、つまり北野社東門前であるというのだ。
出光美術館、堺市博物館及び京都国立博物館所蔵の『洛中洛外図』ではいずれも北野社
東門前、茶屋の東側で歌舞伎が興行されているし、その演目は「茶屋遊び」である。茶屋
の東側は確かに茶屋の後ろであるが、『寛永十四年((1637)洛中絵図』では、高善院
、能周、杢(か松?)などでいずれも宮仕達の居宅が並び、その後は弁財天が建てられて
いる。ここが天正頃は空地だったか松梅院の土地だったのであろう。
更に東側は松梅院の土地なので、その辺りまで離れるのかもしれない。
富山県神明社の『北野社阿国歌舞伎図屏風』では下之森に舞台が拵えられており、お国
が踊り、観客が群集している。下之森にも茶屋が建っていたし、右近馬場の南の際である
ので、下之森である可能性もある。しかし、史料から推測するとやはり、五軒茶屋あるい
は七軒茶屋の東側の可能性が高いであろう。
結局このときの勧進は28日まで続いたので、4日間の開催であった。
お国と思しき人物は、文禄二年((1593)6月2日にも松梅院へ来て酒を飲まされて
踊っているし、(この時は一寸女と記載)、慶長九年(1604)12月27日にも礼に
来ている。慶長期のお伽草子である『恨の介』では、「北野へいざ行きて、くにがかぶき
をみんといふ人も有」などとあり、『舞曲扇林』には「佐渡島の遊女に小太夫といふがお
邦と名を更へ、北野七本松にて改めて歌舞伎興行す」ともあって、「二代目おくに」も北
野に来ているので、東門前や中之森・下之森など様々な場所で踊っていたのかもしれない。
幕府からは「かぶきくるい」、社中からも「於社中くにと申かふき女と松梅院みたれな
る事」などと言われるほど、松梅院とお国との関係は親密だったのである。
■『やまとのくには言の葉のくに』■
第九十六首
田口 稔恵
あはれいかに草葉の露のこぼるらむ 秋風立ちぬ宮城野の原
(西行法師 『西行法師家集』)
(ああ、どんなにか草葉に置いた露がこぼれているだろう。秋風が立った宮城野の原で
は。)
真に優れた歌の前では、口語訳は無力である。外国語や古語の翻訳には、単なる言葉の
置き換え以上の、その奥底にある文化のありようを反映せねばならず、その饒舌さは、
ともすれば韻文の生命線である勢いを殺すからである。
訳してしまえば何ということもない歌になってしまう。それが西行の歌の神髄であって、
凡愚には到底手に負えない部分である。小林秀雄ならぬ凡愚の私に、何を語れよう。
秋風が立ち、遠く陸奥の歌枕・宮城野の草葉から零れる露に馳せる西行の想いを「趣深
い」「情趣のある」などというお仕着せの現代語でどうして解決できよう。
西行の心を知りたい人は、声に出してみるとよい。
あはれいかに くさばのつゆのこぼるらむ あきかぜたちぬ みやぎののはら
西行の心を突き動かすものが、このみそひともじ以外の何物でも表現できないと知るこ
とができるだろう。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 10月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:10月12、26日(いずれも、水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:10月1日22、29日(いずれも、土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
(22日のみ)15時~
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:10月8、22日(いずれも、土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
日程:10月22日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:15時~16時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
夏も終わり、食欲の秋になりましたね。
秋の食材は一年の中でもひときわ美しく、食事をしながら芸術も感じられる。
日本人で良かったと思います。
(いまむら)
[次回は、10月15日(土)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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