嵯峨野文化通信 第87号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン 

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              〔嵯峨野文化通信〕 第87号
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         日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?

    伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
          ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

         京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!

               毎月1日・15日(月2回)

                      ★VOL:87(2009/9/15)

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  ○【連】からのお知らせ ————– アートと京菓子の出会い
                     「丹後物狂」シンポジウムが開催されます!
花街講座、受講受付中!
                     伝統文化プロデュースを学んでみませんか
  ○(連載)『餅と饅頭-和漢の境まぎらわす事-』—— 第三回
  ○(連載)『やまとのくには言の葉のくに』———— 第五十二首
  ○[嵯峨野学藝倶楽部]9月中旬~10月上旬開講講座のお知らせ

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 【連】からのお知らせ
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 ○アートと京菓子の出会い

  【連】の活動に協力いただいている有職菓子御調進所「老松」が、近代アート作品を伝
 統的な京菓子で表現する、新たな試みです。
  老松スタッフによる意欲的な展示をご覧になっていただけるとともに、主菓子と薄茶を
 一服、楽しんでいただけます。
  場所は、御所西にある江戸中期の儒者・皆川淇園(みながわきえん)が設立した学問所
 である弘道館址の石碑の建つ京屋敷です。

  日程:9月19日(土)~22日(火)
  時間:10時~16時
  場所:老松アートギャラリー弘道館
     (上京区上長者町通新町東入)
  アクセス:地下鉄「今出川」下車、徒歩8分
  費用:1,000円(薄茶付き)

  お問合せ:電話 075-463-3050
       メール office@oimatu.co.jp

 *本企画は、先日、好評のうちに終了した、先日京都国立近代美術館で開催した池田満寿
 夫の菓子展(主催=プラスリラックス、協力=京都国立近代美術館・老松 他、プロデュ
 ース=伝統文化プロデュース連)を発展的に展開するものです。

 ○「丹後物狂」シンポジウムが開催されます!

  当メールマガジン第81号の『丹後と京都』で取り上げました、天橋立にゆかりのある
 能「丹後物狂」が、今年の10月24日、宮津市の智恩寺にて上演されます。
  「丹後物狂(ものぐるい)」とは、室町時代に盛んに演じられた能の人気曲の一つで、
 1986年に東京大学教授・松岡心平氏により復曲されています。
  この上演に先駆け、相国寺の承天閣美術館にてシンポジウムが開かれることになりまし
 た! 当日は第一部と第二部に分かれ、丹後や作品の背景についてじっくりと考えていた
 だける構成となっています。
  申込み期限は9月15日までとなっておりますが、申し込みをされていない方でも、当
 日参加が可能とのことです!! お時間おありの方はぜひ、ご参加ください!

 能「丹後物狂」シンポジウム「天橋立と室町文化~義満と世阿弥の旅~」

  日程:9月24日(木)
  時間:14時より
  場所:相国寺 承天閣美術館(京都市上京区今出川通烏丸東入)
  定員:200名(先着順となります)
  費用:無料

  他にも関連イベント等が掲載されているHPはコチラ
   http://www.amanohashidate.jp/nou/index.html

 ○花街講座、受講受付中!

  NHK文化センターにて、「京の花街」を歴史・建築・芸能の観点から捉える講座が開
 講されます!
  講師は【連】の活動にご協力いただいている井上えり子、【連】の太田達、濱崎加奈子
 です。
  常に最高のおもてなしを提供してきた花街を、多角的に眺めてみませんか?
  日本文化の凝縮した空間を感じられる、魅力的な講座です!

  日程:10月27日(火)より、3月までの毎月第4火曜日
  時間:13時~14時30分
  場所:NHK文化センター
      (〒600-8216 京都市下京区東洞院通塩小路下ル ルネサンスビル内)
  費用:14,490円

 ※事前申込みが必要です。
  詳しくは以下、NHKカルチャーHPへ
  http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_517584.html

  また、こちらの催し物と関連しまして、溝緑ひろしさんが花街の生活文化を写真に収め
 た「芸・舞妓の伝統美」展が開催されます。芸妓さん、舞妓さんを始めとして、花街の風
 俗や習慣、行事などを様々な角度から表現されています。
  合わせて、ぜひご覧ください!

  日程:9月16日(火)~9月30日(水)
  時間:9時30分~18時(最終日は17時で終了いたします)
  場所:JR京都駅東隣 ルネサンスビル 1階ギャラリー

  お問合せはNHK文化センター京都教室まで
   TEL:075-343-5522

 ○伝統文化プロデュースを学んでみませんか

  西陣織物研究会の会誌『おりもの』最新号に、【連】代表、濱崎加奈子の論考が掲載さ
 れました。
  文章は「伝統文化をプロデュースする」と題し、伝統文化をプロデュースする際の指針
 や実例を記しています。
  会員向けの雑誌ですが、一般の方も京都市内の図書館、本庁などでご覧になることがで
 きます。ぜひ、お手にとってご覧ください!

 『おりもの』第53巻第3号(9月7日発行)
 (発行所 西陣織物研究会・京都市産業技術研究所繊維技術センター)

 <閲覧可能な施設一覧>
  国会図書館
  府立総合資料館
  京都市中央図書館
  つくば市 大わし図書館
  京都市醍醐中央図書館
  京都市伏見中央図書館
  京都市役所(本庁)

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                  (連載)『餅と饅頭-和漢の境まぎらわす事-』
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                   第三回                  

                                    太田 達

  田道間守を祀る神社は、現在三社ある。兵庫県豊岡にある中嶋神社、佐賀県伊万里にあ
 る香橘神社(中嶋神社)、和歌山県海南の橘本神社、他に分祠されたものとして、京都府
 吉田神社、福岡県太宰府天満宮の境内に存在している。分祠は、大正期以後の菓子業者に
 よるものである。この内、豊岡の中嶋神社は、田道間守の出自を伝えている。

 『日本書紀』及び『古事記』によると、田道間守は新羅の皇子であり『播磨国風土記』に
 は神として記される。また、「天日槍命」の5世の子孫であり、その渡来神(渡来人)と
 しては、唯一「天」の字をいただいている。これは、皇祖神、ようするに高天原の神々と
 同等の扱われ方がされているということである。もう少し、この「天日矛」「天日槍」に
 ついて考えたい。

 「昔有一人乗艇而泊干但馬國因問日 汝何國人也 對日新羅王子 名日 天日槍 則留干
 但馬 聚其國前津耳女 一云 前津見 一云 太耳麻 能鳥 生 但馬諸助 是清彦之祖
 父也」『日本書紀ー垂仁記ー』

  垂仁天皇三年春三月に七種の神宝(羽太の玉、足高の玉、赤石、刀、矛、鏡、熊籬)を
 持参したとある。また、『古事記』によると珠が二つと、「波振比礼」、「波切比礼」、
 「風振比礼」、「風切比礼」、「奥津鏡」、「辺津鏡」の八種を持参したとされる。これ
 らは、兵庫県出石の出石神社に、祭神「天日槍」として祀られている。字の通り、海上の
 波風を修め、鎮めるための呪具である。これは、かつて但馬と同じ国であった丹後国にあ
 る、一宮元伊勢籠神社を奉ずる海人族の、海の神の信仰と重複したものと考えられよう。

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                     (連載)『やまとのくには言の葉のくに』
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                  第五十二首                 

                                   田口 稔恵

  その道に入らむと思ふ心こそ 我が身ながらの師匠なりけれ
 (『利休道歌』)

  その道に入って学ぼうという己の心こそが、自分自身に備わった師匠なのだなあ。

  「利休道歌」は「利休百首」とも呼ばれ、茶の湯を大成した千利休の教えをまとめたも
 のである。点前の作法や、茶の精神について、日本人にとってなじみ深い和歌の形式を借
 りて簡潔にまとめられている。ただし、すべて利休の作かは不明である。
  その百首のトップに置かれた歌が、上記のものである。最後の「けれ」は「こそ」を受
 けて已然形になっているが、もとは過去の助動詞「けり」。この「けり」は和歌や会話文
 中で用いられると「詠嘆」や「気づき」の意味を持つ。

  近頃、教育論でつとに有名な内田樹は、師を持つ者だけが師となる資格を得る、という
 興味深い論を展開されている。師であった者を凌駕し、もはや学ぶものが無くなったと思
 った瞬間に、その人は成長を止める、と。素晴らしい師は、必ず彼もまた師を持っている
 はずだ、と。
  ある世界に飛び込んで、それを学ぼうとする。その敬虔な気持ちこそが、先を行く者を
 敬わせ、自らを磨く。だから、そんな自分自身がすでに「師」を持つ素養があるのであり、
 自分自身にさえ「師」を宿らせることができるのだろう。

  「オレ様」な若者が多いと叫ばれる昨今、日本人は、誰かを熱烈に恋い慕うほど傾倒し、
 学ぶ姿勢を貫くことのすばらしさを、もう一度見つめ直す必要がありそうだ。

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 ◆[嵯峨野学藝倶楽部] 9月中旬~10月上旬開講講座のお知らせ ◆
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 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧下さい。

 ★「京都歴史講座」
  日程:9月20日(日)
  時間:11時~12時30分(90分)
  講師:中村 武生
  テーマ:「京都市教育会と建碑事業」
  参加費:1回 1,000円 (茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、随時受付けています。

 ★「うたことば研究会」
  日程:9月26日(土)
  時間:10時~11時(60分)
  監修:田口 稔恵
  ※資料代等が必要です。詳細はお問合せ下さい。

 ★「今様・白拍子教室」
  日程:9月26日、10月3日(いずれも、土)
  時間:13時~14時(60分)
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ★「茶道教室(土曜日コース)」
  日程:9月26日、10月3日、10日(いずれも、土)
  時間:15時~20時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています

 ★「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:9月30日、10月7日(いずれも、水)
  時間:13時~18時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ★「京文化を語ろう」
  日程:10月10日(土)
  時間:11時~12時30分(90分)
  講師:太田 達
  テーマ:「宗教から京都を考える~京都の法華~」
  参加費:1回1,000円(茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、随時受付けています。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

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  秋を通り越して、冬の寒さを予感させられるような気候になりました。そろそろ長袖
 が必要ですね。
  もう少しすると、紅葉がきれいに色づいてきます!
  それと同時に、今年大学3回生の自分には就職活動というものが刻々と近づいていま
 す…。今年と来年が頑張り時ですね。
  悔いのないよう、頑張ります!!
                                   (まつだ)

     [次回は、10月1日(木)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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