7月も引き続き、ほとんどオンライン配信での講座開催となりましたが、
人数を限定して「香道さろん」や「月釜」などの講座や茶会を弘道館で開催いたしました。
久々に弘道館で開催した講座、オンラインでの講座、
どれもかけがえのない時間となりました。
まだ気軽に弘道館へ来ていただくことは難しい状況ですので
8月も、講座や茶会はオンラインでの開催が主になります。
また通常開催ができることを祈りながら、今できることを続けてまいります。
8月の予定はこちら
◆7月5日(日)講座「香道さろん」
心しずかに香木と対話するひとときは、
いつにも増して有り難みを感じました。
こういう時だからこそ、このような時間が必要なのかもしれません。
いつも多くの方々にご参加いただいている人気講座ですが、今回は、二部に分けさせていただいた上で、人数もかなり限定をして開催させていただきました。
もちろん、香炉を聞く時以外はマスク。
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開催にご協力いただきました志野流若宗匠の蜂谷宗苾宗匠、お社中のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
◆7月11日(土)オンライン講座
「信仰から見る京都ー祇園会ー」
テーマは「祇園祭」。多くの方々にご参加いただき、ありがとうございました。
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疫病退散にはじまった祇園祭の由来を深堀りするにつけ、考えさせられること多々。人々の祈りの歴史が複雑にからみあい、牛頭天王の信仰、祇園信仰が生まれたこと、こういう歴史を<今>知ること、考えることの重要性を感じました。
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有斐斎弘道館は、江戸時代の私塾。十一年前に再興させていただいて以来、学びの場としての役割を果たすべく、わたしたちの生活に根付く歴史を分野横断的に紐解いてまいりました。
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次回は、8月22日(土)11時より。テーマは「地蔵盆と火祭」。
どうぞお楽しみに。
◆7月12日(日)オンライン茶会(ライブ配信)
「祇園会の茶」
午後5時の京都、午前9時のロンドン(じつは急遽フランス郊外だったことも後から明かされたわけですが・・)で始まった茶会。
打ち合わせせずともなぜか符合する趣向や思い。一期一会の場に居合わせることのできる幸せ。
じつは今回の茶会は、「オンライン茶会とは何か」あるいは「オンラインとは何か」を考える場でもありました。
4月より開催させていただいてまいりました数々のオンライン講座、またオンライン茶会は、これまで想像もしなかった人々の暮らし、文化のありようを真正面から捉え、乗り越えるための、主客をまじえたコミュニケーションの場なのだと感じています。
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茶会はとりわけ、人と人の思いがまじわる場として、「オンラインでするべきなのか」「オンラインで失われるものはないだろうか」などと危惧する一面もあるかもしれません。
有斐斎弘道館は、文化の歴史と今を捉え、時に「実験」しつつ、研究の成果を現場に反映させていくという活動を続けてまいりました。
今回のオンライン茶会も、そのような場でもあると思っております。
是非ともご意見をお寄せください。
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それにしても。いつもながらの(?)混成チームにして卓越した水屋!
偶然か必然か、このタイミングで集まってくださった方々が心をひとつにして茶の場に挑みました。ありがとうございました。
そして、ご視聴くださった世界中のみなさま、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、今回は、同志社大学人文科学研究所第20期第14班・佐伯順子先生の研究会の多大なるご協力を得て開催させていただきました。
篤く御礼申し上げます。
◆7月28日(火)オンライン講座
「茶の湯の文化を識るー本数寄と侘数寄の茶の湯空間ー」
今月の「茶の湯の文化を知識る」は、建築史家の桐浴邦夫先生による講義をオンラインにて開催いたしました。
テーマは、「本数寄と侘数寄の茶の湯空間」でした。
たくさんの方々のご参加ありがとうございます。
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次回のテーマは「茶会記にみる茶席の菓子」です。お楽しみに!
次回8月25日(火)13時〜の会もオンライン講座となります。
◆月釜
月釜会員の方々のためのお茶会を開催いたしました。
4月以降、月釜も延期とさせていただいていましたが、今回、1席6人様程度迄とし、席ごとの時間もあけて、4日間に分けて開催させていただきました。
オンラインでは顔をあわせていた方々も、やっぱりこの場に集うことの喜び。
スタッフ一同、嬉しい日となりました。
終わった後、本当にゆっくりと庭を眺めて帰られる方、
毎日少しずつ弘道館のための寄付をためてくださっていた方、
伝統文化に関わる仕事をめざしてがんばっている若い方、
それぞれが、それぞれのための、時間が、ここ弘道館に刻まれていく。
本来の、寄り合う場としての役割が、浮き彫りになっていく日々。
感謝の日々。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開け放った座敷には時々生き物が舞い込むこともございますが、それも本来の形。
疫病退散の祈りが届きますように。
楽しい語らいの場が、この後も続きますように。
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お越しいただいたみなさま、有斐斎弘道館を支えてくださる方々に、
心より感謝申し上げます。
このような時代ですが、建物を守り、集いの場を維持しつづけていくことができるよう、
変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。