【開催報告】2025年度第5回月釜「初釜」

2026年1月18日に有斐斎弘道館月釜、2025年度第5回「初釜」を開催しました。


今回はいつもの月釜では本席として使用する事が少ない汲古庵(きゅうこあん)での濃茶席です。
汲古庵は不審庵にある表千家8代家元、啐啄斎(そったくさい)好みの七畳茶室(正確には6畳台目)の写し。
啐啄斎の厳格な侘び茶の精神を伝え、また明治の建造部分で、ゆうに100年の時代を経た茶室は趣きたっぷりです。


本席は四条派の祖、呉春の描いた寿老人、待合は松村景文の鯛と小槌の図。
二人は兄弟であり、ともに皆川淇園の重要な弟子で、親交の深かった絵師たちです。
今回の茶会では出番がありませんでしたが、呉春の寿老人の掛軸には皆川淇園の漢詩が双幅になっています。当時の文化人たちの、高い教養と芸術による交流が偲ばれます。


そして菓子は、月釜会員の皆さまが毎年楽しみにされている、老松製の御菱葩(おんひしはなびら)
裏千家お家元の初釜で供される川端道喜製のものと同じタイプのもので、大きく柔らかいお餅にとろりとした白みそ餡の、特別な逸品です。


菓子席の床は、午年に因み、江戸時代の代表的な大名茶人である松平不昧が、沢庵和尚が詠んだ大津馬の和歌を写した讃と、狩野伊山の大津馬絵でした。
「何ゆえに重荷おふつのむまれきくなれもうきよに我もうきよに」


干支の午は、掛軸以外にもあちらこちらに。
濃茶点前の水次には見立てでヨーロッパの玩具の、ロバのジョウロも登場し、厳かななかにも時折笑みのこぼれる、和やかな会になりました。

有斐斎弘道館では、2026年4月からの月釜の年間会員を募集しております。弘道館保存のための活動です。宜しくお願いいたします。
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◆開催概要
2025年度有斐斎弘道館月釜 第5回「初釜」
開催日 2026年1月18日(日)
席 主 有斐斎弘道館 太田 宗達

※当イベントは終了しました。
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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