【開催報告】2025年度第4回月釜「開炉」

2025年11月24日に有斐斎弘道館月釜、2025年度第4回「開炉」を開催しました。

待合掛は狩野探幽の火炎宝珠。11月は炉開きにお火焚き、北半球の各国では太陽の復活を願い、“火”に関連する祀りが増える季節です。

午前中は秋晴れの気持ちのよい気候で、露地の紅葉もちょうど見頃でした。

先立っての11月19日の宗旦忌に因んで、広間の床は宗旦狐。大綱宗彦(そうげん)和尚(讃)と永楽保全(絵)の合作です。大綱宗彦は永楽保全の参禅の師であったそうです。

琵琶床の飾りでは、狐に追われた兎が照葉に身を隠しています。

有弘庵の床は兼好法師の自詠和歌「神無月のべのくさはのしもがれに身はならはしのかぜのさむけさ」
利休の侘茶を深化させ、三千家の礎を築いた宗旦ですが、その侘び・寂びの美意識は兼好法師の「徒然草」のなかに、すでに見いだせます。

弘道館の炉開き恒例、老松特製の粟餅と白小豆のお善哉。濃茶は祇園辻利の「萬風の昔」
濃茶席にしては大人数の席だったので、その代わりに、どれをとっても主茶碗級の濃茶茶碗がずらりと並びました。

夕方近くの席はだいぶ暗くなってしまったので、燭台を持ち出しました。冬至に向かい、日も短くなりましたね。
茶の湯は、日常でつい見過ごしてしまうような季節のうつろいにはっと気付き、じっくり味わう時間でもありますね。

この度の茶会は、炉開きの晴れがましさと、秋の風情の侘び寂びを感じる一席となりました。

有斐斎弘道館では、月釜の年間会員を募集しております。弘道館保存のための活動です。宜しくお願いいたします。
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◆開催概要
2025年度有斐斎弘道館月釜 第4回「開炉」
開催日 2025年11月24日(月・祝)
席 主 有斐斎弘道館 太田 宗達

※当イベントは終了しました。
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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