【開催報告】信仰からみる京都2025「二軒茶屋駅と上賀茂神社【禊と祓/夏越の祓】

今年度上半期の「信仰からみる京都」は、「歳時記をたどる路編」と題して、歳時記に焦点をあて、ゆかりの深い京阪沿線の土地を取り上げながら、京都の「知」を紐解いていきます。

6月28日(土)に開催の第3回目は、「二軒茶屋駅と上賀茂神社【禊と祓/夏越の祓】」をテーマに、叡山電車二軒茶屋駅がある市原野を含む京都市北部地域の歴史や風物、渡来氏族で京都に根を張った秦氏や賀茂氏について、そしてテーマにもある「禊と祓」について、娘が葵祭の斎王代を務めたこともある太田達が考察・論説をしました。

市原野という地は、鬼退治の説話で有名な源頼光が、市原野の洞窟に住み、天狗等と語らい、世間を悩ませていたに鬼童丸を退治したという説話が残っており、また、源頼光が渡辺綱ら四天王を従えて、都から鞍馬詣の時に渡ったという「頼光橋」があります。市原野のほかに静原や大原、化野、蓮台野、高尾、栂尾など、京都市北部地域には○○原、○○野、○○尾という地名があるのも注目すべき点との見解を示しました。

 また、賀茂社の祭りの葵祭で、祭りの参加者が身に着ける装飾品である「葵桂」について、二葉葵を神紋とする社は、賀茂社だけではなく、日吉社、松尾社もそうで、伏見稲荷社も稲荷祭で葵桂を供えますが、これは秦氏や賀茂氏と密接な関係があるとの考察を示しました。

今回のテーマにちなんだ呈茶菓子は、京都では6月30日夏越の祓に無病息災を願って食される菓子、「水無月」でした。ご製は老松です。本講座の会場参加では、抹茶とともに各回のテーマにちなんだ特別菓子も楽しめます。

次回の講座は、7月12日(土)「祇園四条駅と八坂神社【祇園祭】」です。皆様のご来館を心よりお待ち申し上げます。
ぜひとも、皆さまのご参加をお待ちしております。
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◆開催概要
信仰からみる京都2025「二軒茶屋駅と上賀茂神社【禊と祓/夏越の祓】」
開催日 2025年6月28日(日)
講 師 太田 達
京都市生まれ。立命館大学食マネジメント学部教授。有職菓子御調進所 老松当主。有斐斎弘道館代表理事。歴史、信仰、食文化を研究する一方、国内外で茶会を数多く開く。NHK『ようこそ先輩』、『美の壷』など多数出演。

※当イベントは終了してます。

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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