毎年弘道館が行っている京菓子デザイン公募展に向けたイベントとして、7月2日(土)京菓子ワークショップを行いました。今回は有斐斎弘道館を離れ、GOOD NATURE STATION にて、京菓子の基礎知識についての講義を受け、そのあと実際に京菓子を作る体験をして頂きました。
今回は「こなし」の生地を使って京菓子を作ります。こなしとは「練り切り」とは違い、京都でよく使われる素材で、白あんと小麦粉を蒸しあげてもみこんだものです。
そして今回は突然、「枕草子」の章段をその場で聞いて3分でデザインするという課題が…!
お題:「夏はよる。月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くもをかし。雨など降るもをかし。」
皆さんその場で、夜に浮かぶ月や、蛍をイメージした菓子のデザインを考えておられました。
講師の太田さんがお菓子を考える際は、まず和歌を作り、そこから二次元のスケッチにおこして生地を考えて三次元の形にするとのこと。そうして茶会のテーマを表すものにするとのことでした。(茶席で出す場合)
ポイントは、光の入り具合・陰影も考えて作ること。そして、丸や四角の中のどこに蛍や月などを浮かべるかが重要だそう。真ん中に持ってきすぎない方が良いとのこと。また、お菓子の透明感によって夏らしさを出せるそう。参加者からは「難しい~!」との声があがっていました。
太田さんの実演も。
参加者の皆さんも、こなしと三種類の色を使って、様々な形の菓子を製作されていました。
「太田さんの菓子作りを見て、型にとらわれず自由に菓子を作って良いと分かりました。」「去年応募したが入選しなかったので、京菓子展にまた応募してみます!」などのお声を頂きました。
今回は菓子作りを体験して頂きましたが、7月24日(日)には弘道館にて、今年のテーマである「枕草子」について学ぶ講座も行います。京菓子展に応募する前に、テーマについて学び、菓子のデザインに生かしてみてはいかがでしょうか。
京菓子展特別講座「枕草子とは何か」
講師:荒木 浩(国際日本文化研究センター 教授)
定員:20名
参加費:3000円(持ち帰り菓子付き)ご予約:https://makuranosousi.peatix.com/※無料のオンライン配信も予定しております。(こちらは予約不要です。)
京菓子デザイン公募展は、京都を代表する芸術文化である京菓子を通して、広く皆様に古典文学について知っていただくとともに、京菓子についての理解を深めていただくことを趣旨とするものです。八年目となる本年は、「枕草子」の世界よりイメージを膨らませ、新たな感性で表現した京菓子作品を募集します。
京菓子展 2022 – 手のひらの自然 枕草子HP (https://kyogashi.jp/ )