「有斐斎弘道館再興10周年祝賀会」が開催されました。

有斐斎弘道館再興10周年記念の祝賀会が、2月24日午後6時より、京都ブライトンホテルにて開催されました。 この祝賀会は、文化、経済など各界を代表する方々が呼びかけ人となって実現したものです。呼びかけ人の代表には、 千玄室大宗匠様がなってくださいました。

◆呼びかけ人代表  
裏千家 前家元                   千   玄 室

◆ 呼びかけ人    
福島県立博物館 館長                赤 坂 憲 雄   
丸栄堂 代表取締役                 淺 木 正 勝      
賀茂御祖神社 宮司                 新 木 直 人
華道家元池坊 次期家元               池 坊 専 好   
京都市歴史資料館 館長               井 上 満 郎   
同志社大学文学部 教授               植 木 朝 子
京都精華大学 学長                 Mr.Oussouby SACKO
能楽師小鼓方大倉流 宗家              大 倉 源次郎   
千家十職 釜師                   大西 清右衛門
弓馬術礼法小笠原流 宗家              小笠原 清 忠   
株式会社岡野組 代表取締役専務           岡 野 真 之   
小川流煎茶 家元                  小 川 後 楽
株式会社memesスクエア 代表取締役       奥 田 充 一
同志社女子大学 名誉教授              朧 谷   壽   
公益社団法人京都市観光協会 会長          柏 原 康 夫
京阪ホールディングス株式会社 代表取締役会長CEO  加 藤 好 文   
京都市長                      門 川 大 作   
株式会社ヴィジュアルフォークロア 代表取締役    北 村 皆 雄
MIHO MUSEUM 館長                熊 倉 功 夫   
同志社大学大学院 教授 社会学部長         佐 伯 順 子   
華道 未生流笹岡 家元               笹 岡 隆 甫
京都国立博物館 館長                佐々木 丞 平   
文化庁地域文化創生本部 主任研究官         佐々木 雅 幸   
和食文化学会長                   佐 藤 洋一郎
在京都フランス総領事                Mr.Jules Irrmann   
株式会社京都銀行 代表取締役会長          髙 﨑 秀 夫   
北野天満宮 宮司                  橘 重 十 九
株式会社MAIN 代表取締役              手 塚   清   
京都大学大学院 特任教授              中 谷 日 出   
千家十職 塗師                   中 村 宗 哲
志野流香道 家元継承者               蜂 谷 宗 苾   
京つけもの西利 代表取締役社長           平 井 誠 一   
同志社女子大学 名誉教授              廣 瀬 千紗子
株式会社福寿園 代表取締役社長           福 井 正 興   
京都大学 名誉教授                 松 田   清   
同志社大学経済学部 教授              八 木   匡
株式会社クリスティーズジャパン 代表取締役社長   山 口   桂   
公益財団法人京都文化財団 理事長          山 田 啓 二   
古典の日推進委員会 ゼネラルプロデューサー     山 本 壯 太
作家                        夢 枕   獏   
公益財団法人冷泉家時雨亭文庫 常務理事       冷 泉 貴実子   
公益財団法人冷泉家時雨亭文庫 理事長        冷 泉 為 人
                               *五十音順

宴の前には、三壷庵 西村宗靖社中による呈茶でおくつろぎいただきました。

オープニングは、川尾朋子様の書、 林宗一郎様の舞、有松遼一様の謡、杉信太朗様の笛、大倉源次郎様の小鼓による舞台「開物楽(かいぶつがく)」。

開物楽-かいぶつがく-淇園の漢詩より
「開物楽」は、皆川淇園が成した学問「開物学」に因んだ造語です。 古来、私たちは言葉の響きを大切にし、また文字そのものを尊んできました。淇園の「開物学」は、言葉の哲学でした。言葉が宇宙を拓く。淇園の漢詩の一部が書として、笛鼓の音とともに、弘道館の未来に捧げられました。

梅花 淇園

春意衝寒発 春意 寒を衝(つき)て発し
芳心暎日開 芳心 日に暎じて開く
凌風香満観 凌風の香 観に満ち
却月色連台 却月の色 台(うてな)に連る
影蕩瓊波動 影は瓊波を蕩(ゆら)して動き
飛随玉笛催 飛(とり)は玉笛に随て催(うなが)す
不知江上女 知らず江上の女
何処弄珠来 何処より珠を弄して来しことを

『三先生一夜百詠』巻之上より

呼びかけ人代表・千玄室大宗匠代理の伊住禮次朗様、京都大学名誉教授・松田清様よりご挨拶、京都市長・門川大作様、京都府副知事・山下晃正様の祝辞を頂戴した後、能楽大倉流小鼓方十六世宗家・大倉源次郎様の乾杯で宴が開幕しました。

この祝賀会と同日に、金剛能楽堂で上演された「新〈淇〉劇」の大きな目的が、弘道館を存続させてゆくための「勧進」。皆様からいただいた浄財が、舞台上で大倉源次郎様から 公益財団法人弘道館代表理事兼館長・濱崎加奈子へ贈呈されました。

公益財団法人弘道館代表理事兼館長・濱崎加奈子 による謝辞

続いて、公益財団法人弘道館代表理事の太田達による活動紹介。

これまで、様々な場面で弘道館を支えてくれた皆様への感謝と、今後の末長い支援をお願いする言葉が述べられました。

祝宴の後半では、上七軒の舞妓、芸妓さんが舞台に登場。祝舞として「雛鶴三番叟」(立方:梅志づ、梅葉、ふみ幸 地方:里の助)、「はっはくどき〜弘道館バージョン」(立方:尚鈴 地方:里の助)が披露されました。

俗曲「はっはくどき~弘道館バージョン」

「はっはくどき」は、京の名物風物をつらねる粋な曲。一番は野菜尽くし、二番は錦の魚尽くし。三番は、この祝賀会のために落語家・桂吉坊様が作詞してくださいました。

一、
京で京で 祇園の香煎 深草団扇に 稲荷山
それ土人形 それとんがらし
東寺頭芋に 壬生みず菜 だいこは鳴滝
なすびは芹川 ごぼうは堀川
はっは折らんように引き抜け

二、
京で京で 活きのいいのは
錦の魚じゃないかいな
鯛ぎょうさんな 海老跳ねている
はもはぬらくらぬうら キスまながつお
アンコウ ぶり こち えそ ふぐの横飛び
蟹めが はさめば 蛸めが 吸い付く
吸い付く土瓶立て

三、
京で京で 御所の近所の学問所は弘道館
それ殿様も それ弟子になる
お茶に歌詠み 鼓は鳴滝の音に聞こえる
合縁キエンの 遊びをせんとや
はっは笑うてチャカポン チャカポン

狂言師・茂山逸平様、落語家・桂吉坊様による司会で楽しく過ぎた宴は、MIHO MUSEUM 館長 熊倉功夫様からの謝辞をもって中締めに。

ご参加、ご協力いただいた皆様に、深くお礼申し上げます。

【有斐斎弘道館再興十周年記念実行委員】
林 宗一郎(能楽師シテ方観世流) *実行委員長
有松 遼一(能楽師ワキ方高安流)
伊藤 惠 (アクティブケイ 代表取締役)
上杉 遥 (能楽写真家 白拍子研究所)
蔭山 陽太 (元ロームシアター京都 支配人/THEATRE E9 KYOTO 支配人)
桂 吉坊 (落語家)
亀田 真司 (実験経営学研究所代表社員)
川尾 朋子(書家)
河原 司 (アーキテクトタイタン共同主宰)
佐野 英仁郎
沢田 眉香子(著述業)
茂山 逸平(能楽師狂言方大蔵流)
珠 寳(花士)
高橋 マキ(NPO法人京都カラスマ大学学長)
尚 鈴(芸妓)
中村 知古(吉田山荘女将)
森田 玲(玲月流篠笛奏者)
鷲尾 華子(衣裳家)

文章:沢田眉香子 写真:伊藤信