デザイン部門16作品、実作部門32作品が選ばれました

公益財団法人有斐斎弘道館では、本年は「小倉百人一首」をテーマに京菓子のデザインを幅広く公募いたしました。厳正なる審査の結果、京菓子展「手のひらの自然―小倉百人一首」2017で展示される入選作品が決定いたしましたのでお知らせいたします。
この後、展示期間中に、大賞(各部門1点)と優秀賞(各部門数点)などを決定致します。

ご応募いただいた皆様には、この場をお借りしまして御礼を申し上げます。


■入選作品一覧:全48作品
(デザイン部門16作品、実作部門32作品)

(1)デザイン部門-計16作品

お名前ふりがな作品名(銘)参考和歌展示会場(予定)
穐山 道代あきやま みちよ静寂朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪旧三井家下鴨別邸
伊井 花音いい かのん娘がれ松(こがれまつ)来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ有斐斎弘道館
五十嵐 遥香いからし はるか純雪君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ旧三井家下鴨別邸
五十嵐 浩子いがらし ひろこ韓紅(からくれない)ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは旧三井家下鴨別邸
石井 真理子いしい まりこ天の香具山春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山旧三井家下鴨別邸
板山 明日花いたやま あすか積想成淵筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる有斐斎弘道館
鴨脚 えり子いちょう えりこ錦穐このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに旧三井家下鴨別邸
岡堂 有希おかどう ゆうき忍ぶ染陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに旧三井家下鴨別邸
古島 一行こじま かずゆき清流(せいりゅう)瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ有斐斎弘道館
すぎもと ゆきすぎもと ゆき逢う瀬かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける有斐斎弘道館
高尾 富江たかお とみえ初霜心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花有斐斎弘道館
中根 友之なかね ともゆき紅柵山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり有斐斎弘道館
中村 武俊なかむら たけとし鵲ノ守(かささぎのまもり)かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける有斐斎弘道館
濱崎 須雅子はまさき すがこ春日(はるひ)ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ旧三井家下鴨別邸
山中 秀書やまなか ひでふみひとりぬる夜の嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る有斐斎弘道館
Eliska Konu pkovaeliskakonupkovaちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは旧三井家下鴨別邸


(2)実作部門 全32作品

※印の方は「工芸菓子実作部門」の入賞者です。その他の方々は「京菓子実作部門」の入選者となります。

お名前ふりがな作品名(銘)参考和歌展示会場(予定)
秋山 亜弓あきやま あゆみ余韻天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ旧三井家下鴨別邸
朝倉 良江あさくら よしえ滝の糸滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ有斐斎弘道館
泉 有加いずみ ゆか花うつろい花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに有斐斎弘道館
板見 啓子いたみ けいこ言霊なし(和歌全般に対する想いを表現)有斐斎弘道館
井上 文子いのうえ あやこ片恋思ひわび さても命は あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり有斐斎弘道館
今村 友紀いまむら ゆき舞うひと天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ有斐斎弘道館
岩井 恵子いわい けいこ弱緒玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする旧三井家下鴨別邸
植村 健士うえむら けんじ妻どふ奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき有斐斎弘道館
片岡 聖子かたおか せいこ遠望わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波有斐斎弘道館
木路 百合乃きじ ゆりの初春(はつはる)君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ有斐斎弘道館
高地 望こうち のぞみ鏡花水月秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ有斐斎弘道館
小林 優子こばやし ゆうこ想ひ袖君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ有斐斎弘道館
坂井 由宇さかい ゆう心変わり契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは旧三井家下鴨別邸
笹井 真実ささい まみ恋話しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで有斐斎弘道館
髙田 真衣たかた まい霜菊心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花有斐斎弘道館
髙橋 さおりたかはし さおり清か秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ有斐斎弘道館
田代 早苗たしろ さなえ彩心しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで有斐斎弘道館
田中 正徳たなか まさのりまちびと今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな有斐斎弘道館
田渕 詩織たぶち しおり滝の音滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ旧三井家下鴨別邸
寺田 庄吾てらだ しょうご藻塩火来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ旧三井家下鴨別邸
永田 貴子ながた たかこかささぎの橋かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける有斐斎弘道館
中谷 直子なかたに なおこ鵲橋かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける旧三井家下鴨別邸
名主川 千恵なぬしがわ ちえ海乙女(あまをとめ)の唄来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ有斐斎弘道館
匹田 順治ひきた じゅんじつきあかり秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ有斐斎弘道館
久永 弘昭ひさなが ひろあき月の影秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ旧三井家下鴨別邸
藤原 夕貴ふじわら ゆき篝火(かがりび)みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ有斐斎弘道館
前田 亜紀まえだ あき紅水染(もみじ)ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは有斐斎弘道館
山崎 恵莉子やまざき えりこ舞う桜高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ有斐斎弘道館
和田 梨華子わだ りかこ楚楚天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ旧三井家下鴨別邸
植村 健士※うえむら けんじ秋空寂寞(あきぞらせきばく)奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき有斐斎弘道館
小林 弘典※こばやし ひろのりひっぱって百人一首複数の和歌を参考に表現有斐斎弘道館
西川 佳菜※にしかわ かな色かるた複数の和歌を参考に表現旧三井家下鴨別邸


■デザイン公募について

【募集テーマ】
江戸時代の学問所・弘道館址の学問・芸術サロン 有斐斎弘道館は、今年も京菓子展を開催いたします。
2017年のテーマは「小倉百人一首」。

京菓子は、絵画や和歌、俳句などを題材に、また影響を受けながら、創作されてまいりました。
小倉百人一首の世界よりイメージを膨らませ、新たな感性で表現した京菓子作品を期待します。

【募集内容】
京菓子デザイン部門:デザイン画のみの応募。入選デザイン画は、菓子職人により実作され展示。
茶席菓子実作部門:茶席菓子(いわゆる上生菓子)を実作される方を対象。試作作品の写真にて審査。展示作品は応募者が用意。
工芸菓子実作部門:工芸菓子・その他(干菓子等も含む)を実作される方を対象。試作作品の写真にて審査。展示作品は応募者が用意。

【審査のポイント】
・百人一首をどのように捉えるか、京菓子の特性をどのように活かすかについて応募者なりの視点があること。
・京菓子は耳で食べる、と言われるほど銘(お菓子の名前)が重要な要素です。菓子のデザインと銘が互いに引き立てあうような作品を期待します。
・菓子のデザインは特に「食べる」ことを考えた作品であること。

【審査員】

  • 門川 大作(京都府京都市長)
  • 冷泉 為人(財団法人 冷泉家時雨亭文庫 理事長)
  • 山本 壯太(古典の日推進委員会ゼネラルプロデューサー)
  • 廣瀬千紗子(同志社女子大学 特任教授)
  • 土佐 尚子(アーティスト、京都大学教授)
  • 鈴木 宗博(菓子研究家)
  • 杉本 節子(料理研究家、公益財団法人 奈良屋記念杉本家保存会 常務理事兼事務局長)
  • 濱崎加奈子(専修大学 准教授、有斐斎弘道館 館長)


弘道館へのアクセス

● 京都市営地下鉄烏丸線「今出川」
  または「丸太町」駅下車、徒歩8分

● 烏丸通の上長者町通(KBS京都の北東角)
  を西に入り、一筋目を越えて北側

● 京都ブライトンホテルから
  ホテル正面から南へ、一筋目を東に入る、北側

● 京都駅からタクシーで15分

弘道館へのアクセス地図